サル痘って何だ?〜これから現場で起こり得ること〜


はじめに

R4,7月時点で日本でも初感染者がでてニュースでも話題になってますね。

また新たなウイルスがでたのか?新型コロナウイルス(COVID19)も収まってないのに大丈夫か?いろんな声がきこえてきますね。

聞き慣れないウイルスの名前がでてきてメディア等であんな写真をみせられたら誰でも怖がります。

ここで現時点でわかっていることを整理し今後どういうふうになることが考えられるか確認しておきましょう。

サル痘とは〜病態〜

病原体ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属サル痘ウイルス
感染経路(飛沫)・接触感染
症状(発熱)→皮疹(顔から始まり体幹へ)→隆起し水疱、膿疱、痂皮※1となる
回復多くの場合2-4週間持続し自然軽快(発症から2~4週間で治癒)
患者多くは男性 ※WHOよりそのほとんどは男性同士の濃密接触あり
致命率0〜11% 小児で高値 ※先進国での死亡例報告なし

痂皮※1とは?:血漿、炎症細胞、壊死塊などが表皮に乾固したもの。いわゆる「かさぶた」。

治療薬

日本国内で承認された治療薬なし

※臨床試験では天然痘治療薬 内服テコビリマット使用

基本対処療法のみ

予防〜ワクチン〜

天然痘ワクチン:乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16『KMB』

天然痘もサル痘と同じオルソポックスウイルスに分類されるためそのワクチンが有効。

ウイルスへの感染後、4日以内の接種で発症予防効果が、14日以内の接種で重症化予防効果があるとされている。

約85%発症予防効果あり。

症状が似ている病気

水痘(水ぼうそう) :ヘルペスウイルス科バリセロウイルス属水痘帯状疱疹ウイルス

麻しん:パラミクソウイルス科モリビリウイルス属麻しんウイルス

初期の皮疹症状はとても似ていることから目視での鑑別は困難。

サル痘はリンパ節腫脹を呈する頻度が高いためその症状の有無や、水疱内容物や痂皮などを検体として用いたPCRによる診断を行う。

今後の見解・まとめ

現段階では、、、

自然軽快が見込めること

感染原因がわりと明確になっていること

感染後発症まで猶予があり、感染してからでもワクチンが有効なこと

以上を考慮すると、爆発的な感染は考えにくく、予防目的での医療従事者全員接種等は現実的ではない気がします

また天然痘ワクチンは、天然痘が根絶された感染症であることから日本では19761年以降接種は行われいません。

しかし化学兵器のテロ予防等のため国管理で備蓄は常にあります。

天然痘ワクチンは弱毒生ワクチンのため管理も重要になってきます。ましてや根絶されたウイルスですからね。

はじめの段階で一般的な病院に納入されることはまずないでしょう。

新型コロナワクチンより納入できる医療機関をかなり限定して行われるのではないかと思われます。

参考文献

厚生労働省HP

日経DI 会員のみ閲覧可

国立感染症研究所HP

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