はじめに
長年勤めていても、聞いたことない病気に出会うことがあります。
今回はそのうちのひとつ、ファブリー病について解説します。
ファブリー病とは
病態 | ライソゾーム酵素である α ガラクトシダーゼ Aの欠損により発症する X 連鎖遺伝形式の先天代謝異常症 |
症状 | 四肢末端痛,発汗障害,被角血管腫,進行性の腎障害,心肥大,脳血管障害 酵素不足により分解されずに残った、GLA の基質であるグロボトリアオシルセラミド (globotriaosylceramide:Gb3)が血管内皮細胞,自律神経節,汗腺,腎臓,心筋, 角膜などの組織に蓄積することによって上記症状がおこると言われている |
治療
酵素補充療法
方法 | 酵素製剤を点滴で補充 |
メリット | ・すべてのファブリー病患者に対して有効 |
デメリット | ・2 週間に 1 回点滴治療を一生続けなくてはならない ・酵素製剤に対する抗体が産生された場合はアレルギー症状を発症し,中和抗体により 酵素補充療法 の効果が減弱することがある |
臨床で用いられているのは、主にファブラザイム® 1mg/kgとリプレガル®0.2mg/kg 。
酵素学的に両製剤には差がないとされているが投与用量が異なります。
また、バイオシミラー製剤もあります。
酵素学的に両製剤には差がないとされているが投与用量が異なります。
また、バイオシミラー製剤もあります。
バイオシミラーについては過去の記事参照↓
薬理学的シャペロン療法
方法 | 変異酵素タンパクの細胞内での安定性を高め,自前の変異タンパクの酵素活性を高める治療法 |
メリット | 内服治療 |
デメリット | 大きなタンパク構造変化を起こさないようなミスセンス変異を有する症例にしか有効でない |
ガラフォルド®が主に使用されています。
1回123mgを隔日経口投与。なお、食事の前後2時間を避けて投与。
1回123mgを隔日経口投与。なお、食事の前後2時間を避けて投与。
補足
他には症状に合わせて対処療法がおこなわれる。
希少疾患はその名の通り、あまり症例もないので治療法も1-2つしかないというものが多い。